東京の“売れてるサロン”は、+1,000円メニューをどこに仕込んでる?
単価を上げるって、どうやるのが正解なんだろう。
カット料金をいきなり2,000円上げる勇気はないし、「メニュー増やせばいいですよ」と言われても、何をどこに足せばいいのかピンとこなかったりする。
東京の人気サロンのオーナーたちは、わりと落ち着いていて、
「値上げっていうより、“今あるメニューのどこに+1,000円をそっと置くか”を考えた方がうまくいく」
なんてことをさらっと言う。カットそのものより、シャンプーやケア、スパみたいな“周りの体験”を少しだけ底上げしてあげるイメージだという。
とはいえ、他のサロンのメニューって、外からながめているだけじゃ細かいところまではわからない。
そこで編集部は、東京の人気サロンがどこに、どんな「+500〜1,500円メニュー」を仕込んでいるのかを調べてみた。
「そろそろ単価を上げたい。でも、メニュー表を前に手が止まっている」
そんな美容師に届けばうれしい。
ヒントは、“メニュー欄”に全部出ていた

ここから先は、「この店が一番すごい」という話ではなく、
「こういう考え方で+αを設計すると、単価を自然に上げていけるんだな」という、“設計のヒント集”として読んでもらえたらいい。
東京の人気サロンの“+αメニュー”は?
原宿・FUGO
原宿の「FUGO」は、デザインカラーで支持されている人気サロン。
口コミ評価も高く、「毎月通える原宿サロン」として名前がよく挙がるお店だ。
FUGO
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000587401/
メニューを見ていると、シャンプー台まわりの+1,100円オプションがとても整理されているのがわかる。
・炭酸泉 +1,100円
シャンプー台のお湯を炭酸泉に変えるオプション。
カラーやパーマの薬剤残りを流しやすくして、仕上がりの質感アップを狙うメニュー。
・炭酸シャンプー +1,100円
シャンプー剤を炭酸タイプに変更。
頭皮の汚れをしっかり落とし、固くなった頭皮をやわらかくする目的のメニュー。
・ケアカラー +1,100円
カラー剤に毛髪補修成分の多いトリートメントを混ぜる追加オプション。
「色は楽しみたいけどダメージがこわい」という不安に、プラス1,100円で答えている。
どれも共通しているのは、
「工程を増やす」のではなく、「いまやっている工程の質を上げる」方向で設計されていること。
スタッフの動きも大きく変えずに、
お客様には「いつものシャンプーやカラーを上位版に切り替える」感覚で提案できる、現実的な“ぷらすアルファ”になっている。
下北沢・PRESENCE BRAINS

ケアオプションを小さく並べて、選んでもらうやり方
下北沢駅近くの「PRESENCE BRAINS」は、
オーガニック系の商材を多く扱う、大人向けのケア&デザインサロン。
PRESENCE BRAINS
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000251308/
ここで目を引いたのは、「+550円のケアオプション」がかなり細かく組まれているところ。
・ケアオプション エートス 550円
カラーやパーマ後に残りがちな「過酸化水素・アルカリ」を除去するアフターケア。
薬剤ダメージの原因そのものを減らす、という説明がそのままメニュー名にも表れている。
・ケアオプション ピュアクレンジング 550円
クレンジングオイルで頭皮を整えるオプション。
皮脂詰まりやニオイが気になる人に向けた、“頭皮ケアの入り口”のようなメニュー。
・ケアオプション 炭酸シャンプー 550円
高濃度炭酸泡シャンプーで、頭皮をさっぱり洗うメニュー。
さらに、スパを予約した人だけが選べる
・ヘッドスパ用延長オプション 首肩マッサージ10分 1,320円
も用意されている。
いきなり「90分のロングスパコース」を高額で売るのではなく、
・まずは550円でケアの入り口を複数つくる
・スパ好きな人には、1,320円で“あと10分”というご褒美を足してもらう
という二段階の設計になっているのが現実的で、独立系サロンでも真似しやすいところだと思う。
“最新機器とのセット”で、カットの価値を一段上げるやり方
表参道〜原宿エリアで知らない人は少ない「MINX」。
カットの教本も多く出している、いわゆる王道ど真ん中のトップサロンだ。
MINX harajuku

https://beauty.hotpepper.jp/slnH000120933/
この店舗のメニューで印象的だったのが、
・ReFaウルトラファインバブル「VEENAバブルスパ」とカットを組み合わせたコース
といった、「ハイテクシャワー機器を使ったスパ」とカットをセットにしたクーポン。
ウルトラファインバブルは、髪の毛より小さな気泡で汚れを浮かせて落とす高機能シャワー。

通常のお湯と比べて、頭皮の皮脂や細かい汚れが落ちやすく、ドライ後の軽さやまとまりやすさが変わると言われている。
ここでMINXがやっているのは、
・カット料金だけをじわっと上げるのではなく
・「最新のケア体験」とセットにすることで、カットの価値そのものを一段引き上げる
という見せ方。
“ただのカット”ではなく、
“髪と頭皮をリセットするカットコース”に変えることで、
お客様の中でも「この価格ならむしろ納得」というラインまで、自然に上げているのがわかる。
見えてきた共通点
工程はほとんど変えずに、「気持ちよさ」だけを足していく
ここまで、いくつかのサロンの+500〜1,500円メニューを覗いてみて、共通しているポイントがいくつかある。
ひとつ目は、「施術の流れを大きく増やさない」こと。
・お湯を変える(炭酸泉、マイクロバブル)
・シャンプー剤を変える(炭酸シャンプー)
・カラー剤の中身を少し変える(ケアカラー)
など、あくまで今あるフローの延長に収まるように設計している。
ふたつ目は、「説明が一行で終わるレベルにそろえている」こと。
・薬剤の残りを減らして、ダメージを軽くする
・頭皮の汚れやニオイを落として、すっきりさせる
・首と肩のマッサージを10分だけ延長する
難しい理屈よりも、「今の自分に必要かどうか」をお客様が直感で判断できる言葉になっているかどうかが大事そうだ。
3つ目は、「絶対必要なもの」ではなく、「やったらちょっとうれしいもの」の位置に置いていること。
・今日はカラーしたから、ついでにケアも足しておこうかな
・仕事がハードだったから、スパに首肩10分足してもらおうかな
そんな“その日の気分で選ぶプチ贅沢”の場所に、さりげなく+500〜1,500円を置いている印象がある。
ひとりでメニュー表とにらめっこしなくていいから、情報をシェアしよう
正直なところ、こういう話って、普通に調べてもあまり出て来ない。
実際のサロン名とリアルな価格、どういう意図で設計されているか、というところまではなかなか辿り着けない。美容師ザベストではこの辺りの「美容師経営の超リアルでニッチな情報」もランキングにしていく予定です。
自分のサロンにちょうどいい+500〜1,500円の設計を考えるヒントがみつかったら嬉しい。
(取材・文:美容師ザベスト編集部N)
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